今日は朝から深く落ち込んでしまっている。
私がファンになったクリーニング屋さんが来月いっぱいで店じまいするとのこと。
理由は高齢化と共に後継者の育成ができなかったことらしい。
残念で残念でたまらない。
クリーニング技術は古典芸能ではないから税金の投入もないし誰からの援助もない。
安価なチェーン店の拡大、チープファッションの台頭、クールビズの定着と逆風続きだったに違いない。
そんな中仕上げの美しさ、丁寧な対応と本当に心から好きな名店だっただけに残念でならない。
何度も何度も繰り返すが、本当に残念だ。
我々も技術力を高めて品質で勝負しようとしている。
サービスも含めてあらゆる品質で。
しかし、それだけでは長く事業を続けていくことはできない。
日々の業務に集中しつつ人を育て後継を作り、やりがいや誇りを持ち続ける集団にならなければならない。
長く続くデフレ不況という暗く不気味な妖怪と戦わなければならないのだ。
良いものが長く続き、未来へ夢を持てる時代を作っていかなければならないと思う。
そんな時代になればいいと願っているだけではダメだ、我々で作らなければ。
そんな年代になったんだと思う。
残念ながら一つのこだわりが、一つの誇りが、一つの文化が終わりを告げようとしている。
ネイル
久しぶりに機械ネタを。
兄貴が会社に残してくれた生命保険金という遺産で更新した印刷機が、現在グリッパー交換というメンテナンスを受けています。
印刷機というのは大きく豪快なイメージがあるのですが、扱うものは大変細かい網点であったり、薄い紙であったりしますので実はとてもデリケートなのです。
その中で紙を掴んで運び、次のユニットへ受け渡す役割を果たすのがグリッパーという爪です。
4,000万枚近く印刷した機械の爪はかなり擦り減っていますので、この度一週間を掛けて55個の爪を新しいものに交換します。
機械のメンテナンスは高品質を維持するために最も重要な要素です。
おい、当社のオペレーター達よ!これで高品質なものが早く印刷できるようになるんだよな?
間違いないね!
特別な日に特別な思い
今年も5月2日がやってきた。8回目の兄貴の命日だ。
毎年この日が近付くと精神的に不安定になっていたようで、多くの人から心配されてきた。
しかし今年はそんな声も聞こえないし、自覚もない。
何かが大きく変わったのだろう、とても心は安定している。
先ほど墓参し、この8年を振り返って心の中で話しかけてきた。
どの1年も平穏と言えるものではなかったが、一貫してモノづくりへのこだわりを持ち続けてきたことを兄貴へ語ることができた。
今、私の心が安定している理由の一つに、理想を現実とする体制が設備的にも人員的にもそろってきたことが挙げられると思う。
そして足元をしっかり固め未来への一歩を踏み出す方向が見えてきたことも大きい。
自分がこの世からいなくなっても世の中は何事もなかったかのように回り続ける。
もちろん周りの何人かは悲しんでくれるだろうが、それでもやはり時間は前に進み続ける。
それが嫌だった。
しかし、兄貴がいなくなった会社を動かし続けたのは私だった。
当然のことなのだがそのことに少し違和感を覚えていたのは事実だった。
8年前と大きく変わった今がある。
ずっと見守り続けてきてくれたことを信じ、これからも見守り続けてくれることを祈り、歩みを進めていきたい。
命の尊さをあらためて感じながら、一人でも多くの人を幸せにできる幸せな日々を過ごしていきたい。
11月1日生まれの私
最近感じる不思議なこと、時々イラっとくること。
何故メール?メイルじゃないの?だったら何故ネイル?ネールじゃないの?
スマートフォン、略してスマホ。え?スマフォじゃないの?
ラーメン屋に2人で行って1,000円札2枚出した時「ご一緒で?」ん?
5,000円札や10,000円札を出したのなら分かるが、650円のラーメンを一杯ずつしか食ってないのに・・・。
「私服の時は若く見えますね。」って。ん?私、制服ないんですけど・・・。スーツではなくカジュアルな格好をしているだけなんですけど。それを言うなら普段着だと思うんですけど。
TVの占いランキングで「ごめんなさい。」今朝さそり座は12位でしたけど。
CIRO
現在発売中の『STATIONERY magazine No.008』に弊社製品「CIRO」が掲載された。
これまでも万年筆の書き味にこだわって作ったオリジナルペーパー「Liscio-1(リスシオ・ワン)」関連製品を『趣味の文具箱』等に取り上げてもらったことは数回あるが、やはり嬉しいものだ。
取り上げてもらったから言う訳ではないが、私がつい買ってしまう雑誌はエイ(木へんに世)出版社のものが多い。面白いものを深く掘り下げてある雑誌だと思い手に取るとその多くがエイ出版社のもの。
取り上げてもらったから言う訳ではないが、お勧めの出版社。
運命
一昨日生まれて初めてしっかりクラシック音楽というものを聞きました。
今から1年近く前、神戸のあるBARで佐渡裕さんに偶然お会いし、その時に佐渡さんが私の持つ鞄を見て興味を持たれたことから始まったことでした。
ちょうどその頃そのBARの常連さんたちが、50歳を迎えられる佐渡さんにプレゼントをしようと企んでいたらしく、鞄もプレゼントの候補に上がっていたそうでした。そこで、もうオーダーの鞄は作らないと言っていたル・ボナー松本氏を説得する役割が私に回ってきて、私もプレゼントする一人に加えてもらったのです。
そして昨年末無事にプレゼントできて喜んでいたら、佐渡さんがお返しにその企てに参加した約10名をコンサート&食事へ招待してくださいました。
ということで一昨日の日曜日に兵庫県立芸術文化センターでのコンサートに行くことができたのです。
「ジャジャジャジャーン」そこしか知らなかったベートーヴェンの交響曲第5番「運命」が最後の曲でした。
何故なんでしょうか、曲の最後の方から涙が止まりませんでした。ボロボロボロボロ涙が溢れ出てくるのです。何なんでしょうね。何の涙なんでしょうね。自分でもビックリしました。単純な「感動」なのでしょうか。クラシック音楽について全く何の知識も無い訳ですから、まるで生まれたての赤ん坊のような気持ちで受け入れることができたのでしょうね。それにしても本当に素晴らしい経験でした。
その後のステーキもスコッチも素晴らしかったですが、あの日はやはり音楽が一番心の奥底に響きました。
大変贅沢な一日でした。
(こちらの方が上手に詳しく書いていますので・・・。因みにル・ボナーでの写真の撮影者は私です。)
2012年の春も
新年度が始まり数日が経ちましたが、春らしい気温になったのは一昨日くらいからですね。
当社は8月決算なので特に4月に何かある訳ではないのですが、新年度向けの印刷物等で忙しくさせていただいていますので、やはり新たな気持ちを持つことができます。
そう考えると我々は9月に始まる当社の新年度、1月の新年、そしてこの4月と1年に3回も心を新たにリスタートできる機会を与えられているのですね。
それを活かしましょうよ!>社員諸君&私
そして今春当社には2名の新人が加わりました。両名とも18歳男性でとても初々しいです。
考えてみれば私の長男よりも年下であり、そういう若い人たちと一緒に仕事をすることになったのです。
社長として、一緒に仕事をする仲間として、そして父親代わりとして彼らと長く付き合っていきたいと思っています。
そういえば4月1日に当社のホームページをリニューアルしました。
私の似顔絵が大きく出ていますが、これは決して私が望んだことではありません。
それほど嫌がりもしませんでしたが・・・。
お客様の情報発信のお手伝いをする我々はもっと情報発信も上手にならないと常々思っています。
そのためにもスタッフのリレーblog等はいい試みなのではないかと私も期待しています。
どうぞご覧ください。(http://www.d-wa.co.jp/)
さらに社のPRをさせてください。
どこの印刷会社に発注しようかとお悩みの方は大和出版印刷へどうぞ!
18歳から80歳までの個性豊かなスタッフが真面目で親切に対応させていただきます!
うちのスタッフは全員真面目で親切ですから間違いありません。
で、バカ社長の私は今年も中華料理屋のオヤジと激辛対決。
今年は最終兵器デスソースをチラつかせている。最終日の「MAXやで!」の声におののいたものの・・・。
やっつけたった!3戦3勝!
私にはこれくらいしか自慢するものがありません・・・。
いやいや、当社のスタッフのことは自慢できます!
どうぞご贔屓に!
2011年度最終日に
東日本大震災からちょうど7ヶ月経った2011年10月11日に気仙沼のるかちゃんに作ってもらったミサンガが昨晩切れた。正確には2012年3月31日午前1時。
ミサンガは切れると願いが叶うというから喜ばしいことであるのだろうけど、寂しさで胸が締めつけられるようだった。
僕の手首からミサンガは消えたけど、被災地への思いは決して薄らぐことはない。
明日から始まる新年度がるかちゃんたちにとって希望に満ちたものになることを心から祈ってる。
そして僕は神戸の印刷会社の社長として本業を頑張り、被災地の皆さんへ少しでも役立てることをしていき続けたいと思う。
ミサンガが消えた右手を見ながら何故か一人称が「僕」になっていることを不思議に思った。
あほんだら
昨晩当社の顧問デザイナーじんちゃんと飲んだ。
私は日頃社員に「自分の仕事を客観的に見なさい。我々が社会に対してどのように役立てるか客観的に考えなさい。」と言っている。
俺はそうできていると思ってたけどなぁ・・・。
社員に媚びるつもりは毛頭ない。むしろあほんだらと罵りたい奴がおるくらい。
でも私は社員に恵まれてるんだなぁ。日本側にも中国側にも本当に恵まれてるんだなぁ。
社員は気持ち悪いと思うだろうけど言っておくよ。「おおきに。」
色々あるけどええ奴らやなぁと思ってる。
しばらく言わへんで!
昨晩じんちゃんと話してて気付かせられた。
祈り
明日であれから1年。
ああしておけばよかった、あの時点に戻れるなら・・・。
どうしてもそんなことを考えてしまうことでしょう。
私もこの数年で大切な人たちを何人も亡くしてきました。
だからと言って明日人生が終わっても悔いはないという生き方ができているとは思えません。でも根本には今やれることはできるだけやっておこうという思いはあります。「やらないでする後悔」より「やってする後悔」を選ぶ癖も付いてきました。
ああしておけばよかった、あの時点に戻れるなら・・・。
私にもたくさんあります。
忘れられないことは忘れるべきでないことなのでしょう。
忘れることができるから生きていけることもあれば、忘れられないことがあるから生きていけることもあるはず。
心にたくさんの深い傷を負った被災地の皆さんのことを思うと胸が痛みます。7月と10月にお邪魔した気仙沼の皆さんの言葉が刺さります。
「今さらローンは組めないからどうしようっかねぇ。」
「命は助かったんだけどねぇ。」
「いとこが死んじゃった。」
「うちなんかはマシ。もっと大変な思いをしてる人がいっぱいいるから・・・。」
好きな気持ちと感謝の気持ちは伝えておきましょう。それを伝えていなかったら後悔は大変大きなものになります。間違いありません。嫌いな気持ちと恨む気持ちを伝えるのは後回しにしましょう。それを伝えていなかった後悔はほぼ無いでしょう。
気仙沼に行きたくてしょうがない今となっては縁があったとしか思えませんが、縁もゆかりもなかった気仙沼の人々との出会いを作ってくれた「ぬりえ日本」の学生たちには感謝しています。
今から被災地から遠く離れた神戸よりキャンドルの灯に想いを込めます。明日その画像が気仙沼に届けられるそうですね。
被災地の皆さん、何もできなくてゴメンなさい。でも心の中ではいつも祈っています。今からは私にできることを小さくても長く続けていきたいと思っています。10月に気仙沼を訪れた際、るかちゃんに作ってもらったミサンガはまだ美しいままです。本当は切れた方がいいのでしょうが、少しでも長く想いを込めてからの方がいいと思っています。
ミサンガ1日に何回も見ます。もちろん何度も見ます。何度も思います。祈ります。