昨日三木市文化会館で行われた朗読劇「この子たちの夏」を観に行ってきた。観に行ったというよりも実行委員の一人として少しお手伝いをしてきたものであるから、昨日も昼から搬入やプログラム販売も手伝いながら、何とか19時の開演から観ることができたという感じ。
「この子たちの夏」とは地人会という劇団が21年前から全国で700回以上上演し続けてきている、広島・長崎で被爆された親・子の手記を朗読するというもの。6人の女優と5人の地元ボランティアが舞台の上で手記と短歌をひたすら朗読する。ただそれだけ。舞台の上にはスクリーンがあり、そこには手記を書いた方の名前とたまに写真(全てモノクロ)が映し出されるが、基本的にはひたすら朗読。それもマイクを通さず肉声での朗読。
カラー画像、動画、3DCG、5.1chサラウンド、バーチャルリアリティ・・・。
ひたすら肉声での朗読。
仕事上では新しい技術を追いかけ、お客様にその提案を進めてはいるが、「かなわないなぁ」というのが正直な感想。肉声での朗読だけ。それだけが自分の脳と心に強烈に突き刺さり、涙があふれる。
便利なツールは人間の想像力を破壊してしまうのかもしれないという憂いもある。しかし、コンテンツによっては有効な手段が幾通りもあり、正しくお客様に提案することのみが我々の存在価値だと考える。便利なツールが人間に与えた余力が正しく良い方向に使われることを信じて仕事に向かうべきだと。
60年以上も経ちあらゆる技術が進歩している。残念ながら武器・兵器も大変進歩してしまっているよう。しかし、あの日以来人が人に対してあの爆弾を投下したことは今のところ無い。世界中で紛争・戦争が起こっているにもかかわらず・・・。その事実があの爆弾の悲惨さを物語っているように思える。今のところ人間にはあの悲惨さ残酷さに対する記憶はあるようだ。これは全世界に語り継いでいかなければならない最も重要な過去であることは間違いない。
「この子たちの夏」は今日堺市で上演される。
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