2006年9月アーカイブ

あちらを立てればこちらが立たず。やりがいが大きくなれば苦悩も大きくなる。出会いが多くなれば別れも多くなる。喜び増えれば悲しみも増える。笑顔が増えれば涙も増える。楽しみが増えれば苦しみも増える。信じるものが増えれば信じられないものも増える。味方が増えれば敵も増える。高いところへ登るほど不安定になる。前へ進むほど後に引きずるものが重くなる。

今週の酒は喉ごしが悪く、苦く、深く残る。

それでも前を向き続ける。

好きなアーティストのアルバムが発売される前にレコード屋(死語?)に予約をして、発売日前日の夕方に行き無理を言って売ってもらい聞く。もの凄く得をした気分になり、何度も何度も聞く。それをカセットテープ(死語?)に録音し、ウォークマンで通学時の電車の中で聞く。曲の内容だけでなく曲の順番からもアーティストのメッセージが伝わってきたりもする。また何年も経ってから同じアルバムを聞くと当時は聞き流していた曲に心を奪われたりもして、自分の心境の変化や成長に気付かされるときもある。
もちろんその頃も色々なアーティストのアルバムから好きな曲を選んで「マイベスト」テープを作ったりして聴いていたが、今は最初から好きな曲だけを選んでダウンロードして聴くことがいとも簡単。しかも5分の曲をダウンロードするのに必要な時間はわずか数秒。さらにそれらを高さ90 mm幅42 mm厚さ6.5mmのモノに2,000曲も入るというのだから驚き。1枚40数分のアルバムを聴き、その中から好きな曲をチョイスして5分の曲を5分かけて録音し、それを繰り返して1本のカセットテープを作り、頭出しは自分の感覚でテープを巻き戻したり早送りしたり。そんな時代と今は同じ音楽を聴くという行動でも随分違うものだ。

ものを調べるとき百科辞典を使っていた。ある言葉を調べようと百科辞典のページをめくっているとその言葉にたどり着く前に別の言葉に目が留まりついその項目も読んでしまう。また、目的の言葉に到達してもその前後の項目も読んだり、他のページをめくって読んでいるうちに知識が広がったりしていたものだ。今のあらゆる電子辞書は目的の言葉を入力すると瞬時にその言葉の意味を表示する。

携帯電話の無い時代彼女とデートの約束をするためには家に電話を掛けるしかなかった。恐い両親が出ないことを祈りつつ、また両親のどちらが出ても好感を持ってもらえるよう言葉を準備しつつ。努力して迎えたデートの日、不測の事態が発生し約束の時間に遅れてしまうことに。遅れることを彼女に伝える術も無く1秒でも早く約束の場へ向かう彼と、彼の身を案じつつひたすら駅前で待つ彼女。ようやく会えた二人の顔には待たせた申し訳なさや待たされた怒りよりも、会えた喜びの表情が満ちている。
楽しいデートの途中些細なことから口論になってしまった。挙句デートは中断となりお互い家路に着くことに。反対方向の電車に乗った二人は電車が動き出した瞬間後悔し、謝ろうと思うが時既に遅し。その機会は1時間半後の彼女が家に着く頃まで無い。その頃を見計らって彼女に電話し謝り次のデートの約束をする。感情的な行動をとってしまったことを大いに反省しつつ。
彼女とのデートの約束は携帯電話で。遅れることを伝えるのも携帯電話で。謝ってお互い次の駅で降りて引き返して15分後にもう一度会うことを伝えるのも携帯電話で。

便利なことはいいことだ。何も否定するつもりは無いが、便利なことは豊かなこと?

一昨日初めて神戸空港を利用した。駐車場から横断歩道を渡るとすぐにターミナルに到着。大変便利だ。小さな地方空港のメリットが生きている感じ。
しかし、離陸してから驚いた。東京は神戸より東にあるはずなのに、しばらく低空で西へ向かって飛んで行くのだ。やはり関空・伊丹との兼ね合いなのだろう。しばらくと言っても車ではなく飛行機のそれだから、相当な距離を西進したことになることは間違いない。もったいない話だ。
利用した航空会社は安価な運賃で有名なところ。実際10,000円ジャスト。搭乗すると新聞も雑誌も無い。シートの前のポケットには緊急時のマニュアルと気分が悪くなった時に使う袋のみ。当然飲み物のサービスも無い。なのにCAは4人。これはきっと乗客の数に対してCAの人数が法的に定められていて、その最少人数であるとみた。シートが革であることには驚いたが、これは耐久性の面からランニングコストを考えて生地のシートより低コストであるという判断をしたとみた。この2つは無知な私の勝手な想像なので他言しない方が無難。
機内は離陸から着陸まで大変静かで、短時間ではあるが熟睡できた。サービスをしないというサービスの存在に気付かされた思いだ。
私はこの航空会社のファンになった。

先日例の革バカおやじがうちの会社に遊び(仕事?)に来てくれた。私はおやじの仕事場にはちょくちょくお邪魔しているのだが、来てもらったのは初めてのこと。せっかく来てもらったので一所懸命会社の設備を自慢げに説明したのだが、彼が興味を示したのは彼に作ってもらった私の部屋の革のデスクマットの経年変化、応接室の革張りのソファ、社員が使っている彼にもらった革のマウスパッド。やっぱり革バカだった。

そんな中、革以外で唯一興味を示したのが40歳を超えるうちの長老の印刷機たち。最新鋭の印刷機の説明にはさほど興味を示さなかったが、

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この2台の印刷機を食い入るように見ていた。そういえば彼も商売道具であるミシンは中古の旧型を手に入れたよう。どうやらそれがしっくりくるらしい。新しくなるということは必ずしも進化したとは言えないという事実もある訳だ。
私は決して新しいもの好きではないが、仕事上新しいものを追い続けなければならない。その際しっかり地に足を付け、変化を必ず良化にすることを肝に銘じていよう。
今進めている新しいプロジェクトについては近日公開。乞うご期待。

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