日本代表

昨日、WBCで日本が優勝した。久しぶりに野球を見て興奮した。準決勝へ進めるかどうかも微妙な状況だったのでなおさら昨日の決勝戦には熱が入った。しかし、私は準決勝の韓国戦は負けてもいいのではないかと思ってしまっていた。というのもこれで日本が勝つことになって韓国の対日感情が悪くなることに繋がるのだとすれば、スポーツくらい負けてもいいのではないかと思っていたからだ。さらにイチローの発言も韓国では悪くとらえられていたようだし、(イチローの大会に対する真摯な姿勢が感動を呼んだことも事実)これで日の丸が焼かれ靖国問題をさらに感情的に悪化させるのだとしたら、両国間にとって野球での日本の勝利は歓迎すべきものではないのではないかと思っていた。しかし、日本の優勝を受けて韓国では日本の勝利を讃える報道がなされたと聞いた時、私のくだらない杞憂を恥じ入った次第。
今から18年程前アメリカの西部を車で旅行している時に、小さな町に泊まることになった。町の名前も覚えていないそこには、ホテルなどあろうはずもなく、ようやく見つけた小さなモーテルにやっと泊まれることになった。そこは日本で言う民宿のような感じで、受付(フロントとは決して呼べない)に推定年齢80歳くらいのおばあさんがいた。部屋の空きを確認し、1泊の料金(20ドルくらいだったと思う)を支払うと、彼女は私にどこから来たのかを尋ねた。私が日本からだと答えると、彼女は日本人に会うのが初めてだと言って、日本について色々質問をしてきた。私がそれらに何とか答えていると、手作りのお菓子をくれ、「想像通り日本人はpoliteだ」と言ってくれた。
もしかするとあのおばあさんにとって私は最初で最後に会った日本人なのかもしれない。そうすると彼女にとっての日本人の印象は私そのものなのかもしれない。そして彼女は日本人に会ったことがない人に対して、私の印象を日本人全体の印象のように伝えるかもしれない。私は日本代表だったのかもしれない。

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