十年

あれからちょうど10年。
あの日のことは今でもハッキリ覚えている。
一昨日の昼食のメニューは全く思い出せないが・・・。
十年一昔という言葉も確かにあるが、秒進分歩の世界の中にいれば10年前なんて遠い遠い昔だ。
しかしこの10年が3652日であって、1日が24時間だったこと、1時間が60分であったことは間違いのない事実。
10年は10年。
祖父が創業し、父・兄を経て引き継いだこの会社は確かに印刷会社。
しかし私が代表取締役に就任した10年前から一貫して言い続けていることは、印刷物を作ることを「目的」にした会社ではないということ。
印刷物を作ることは一つの「手段」であり、我々の目的はお客様の情報発信を最適な形でプロフェッショナルとしてお手伝いすること。
一言で「印刷もできる印刷会社」と言い続けてきた。
そしてモノ作りへのこだわりの姿勢を保ち、サービスも含めたあらゆる高品質を追求するということも社内へ向けて言い続けてきた。
私はさそり座。
占い師によると中でも私は執念深いらしい。
10年言い続けてようやく社内全体に高品質を追求する姿勢が見えてきた。
今までも決して疎かにしていた訳ではないが、さらに高いレベルで取り組むようになった。
品質さえ良ければいいと考えている訳ではない。
しかし品質が良くなければ何も始まらないと考えている。
オフセット印刷をはじめとした紙媒体やシステム開発を含むデジタルコンテンツの品質はもちろん、高品質な新商品開発、総合的なサービスの品質も高いレベルで安定的に提供しお客様への役立ちを果たさなければならない。
我々は価格競争ではなく、価値競争の中で社会に必要とされる集団として生き残りたいと考えている。
代表取締役に就任して10年。
新しい技術・新しい設備・新しい人材との出会いを大切にし柔軟性を持って取り組んできたが、根本的な方向性は全く変えずに取り組み続けることができた。これは本当に幸せなこと。
そしてこれからもあらゆる高品質をモノ作りへのこだわり持つ社員のみんなと一緒に追求していきたい。
ニッポンの製造業者としての誇りを持って。
10年経ってまだ社長らしくならない私をきっとあの世から笑っているんだろうな。
伸也はあの時41歳だったのか・・・すげぇな。

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