助成金の金額や紆余曲折の末決まった現金給付、布マスク2枚等に対して言いたいことは色々ありますが、今は大学3年生として感じていることを少し書き留めておきたいと思います。
2020年4月20日現在関西学院大学の全ての授業は休講です。
今のところ明日4月21日からオンライン授業試行期間が始まり5月7日からオンライン授業が全面実施される予定です。
誰もが経験したことがない非常事態に対しての正解は時が経たないと分かりませんが、時が経つと分析はできても臨場感が薄れてしまうかもしれませんので未来においては不正解かもしれませんが私が今感じていることを書きます。
春休み中に発生した今回の新型コロナウイルス感染症問題、授業開始の日程延期はもちろん、履修に関する資料等の配布についても方法・日程について二転三転しました。
それは日々刻々と変わる状況に対応するためにはやむを得ないことですが、ゴールデンウィーク明けまでの緊急事態宣言が出された時点で春学期(前期)開講を諦めれば良かったのではないかと思っています。
そしてこの機会に全ての学校の新年度の始まりを9月にすればいいのではないでしょうか。
欧米には9月を新年度開始とする学校が多いので、留学等にも様々な不都合が解消されると思います。
もちろん一校だけがそうするのではなく、大学だけがそうするのでもありません。
全ての学校、いや社会全体が新年度を9月から始める覚悟でこの半年間を終息のみに専念するのです。
大学生のアルバイト先の多くが休業し、学費をアルバイトによって賄っている学生にとっても半期授業を止めることによってその間の授業料を発生させなければ少なくとも学費の問題は解消されます。
大学生ともなればこの時間を有意義に過ごすことは自分自身で考えなければならないでしょうが、児童・生徒には心のケアも含めて丁寧な対応が必要になると思います。
そのため休講期間中大学の広いキャンパスを近隣の小中高に課外授業的なものに使用してもらうのはどうでしょうか。
大学には小中高には無い多くの大教室がありますので、3密を避けることも可能になると思います。
このようにして半年間で生命に係わる問題に全力で向き合い、その後教育活動を通常のものに戻していくべきだと考えています。
授業回数そのものが減っている上、準備不足のオンライン授業で単位を与えるのは決して学生のためにも、彼らを将来受け入れる社会のためにもならないことだと思います。
とにかく留年させない・中退させない、4年で卒業させてどこでもいいから就職させることに集中しすぎてはいませんか?
思い過ごしならいいのですが、ゼミの第2志望を出さなかった私を事務室に呼び出したり、将来に悩んで就職を躊躇っている4年生をとにかく就職させるよう何度もキャリアセンターに呼び出すのはそういうことではないかと思ってしまいます。
パラダイムシフトを声高に語る先生が多いのに、大学経営・教育現場の運営の実態は旧態依然としている気がします。
在職日数が憲政史上最長となった首相の下でなら思い切った改革ができるのではないかと思っていたのですが、大学3年生の浅はかな考えのようです。
何せ布マスク2枚ですからね。
災い転じて福となすことはやはりできないのでしょうか。
関西学院大学教育学部3年生 武部 健也
追記(2020.05.08)
先日の大学の授業で9月入学について取り上げられ、学友たちの賛否の意見を聞き、私も意見を改めたので、備忘のためここに記しておく。
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当初社会全体の9月新年度スタート案を支持していたが、受講生たちとの意見交換により考えを変え、大学のみを9月新年度にする案に変更したい。
現在検討されている分散登校は教員へも大きな負担となるため、密接を防ぐことができる大教室を持つ大学のキャンパスを周辺の各学校に開放し、児童・生徒の日常を取り戻す策とする。
その使用料として文部科学省が各大学に助成金を出すことにより大学の経営に対する一助となる。
あるいは財政上難しいようであれば助成金を出さないことで経営破綻する学校法人が出れば「大学の大衆化」の抑止に繋がって社会的貢献になるとも考えられる。
東京大学が提唱した「ギャップターム」を大学の入学前・卒業後に存在させることは高大接続改革や高等教育の質の向上に寄与するとともに、社会へのトランジションもスムーズになる可能性を持つため、結果的に国益に資することになると考える。
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