先日の所信表明演説や代表質問を聞いていて、以前ある方から言われた言葉をあらためて思い出した。
金融機関の支店長が2,3年で交代することの理由についてである。
長く同じところに留まると不正を行いやすいことも理由の一つであるが、それ以外に交代する人物のタイプの違いにも理由があるというのだ。それは簡単に言うと「攻め」の次は「守り」ということ。
つまり、イケイケタイプの支店長がドンドン融資先を開拓した後、慎重派支店長がそれを精査するというのである。もちろん全金融機関がそうではないだろうし、現在は違う考え方に基づいているのかもしれないが、要は攻めるばかりは危険だし、守りばかりでは発展がないということ。
それを当社に置き換えて説明してくれた。つまり創業者である私の祖父はイケイケタイプ。もちろんそうでなければ会社を興すことはできない。そして二代目である私の父はしっかり守り抜いて会社を軌道に乗せた。では三代目(正しくは四代目だが世代としては三世代目)の私はどうあるべきか?その方がおっしゃるには兄がアクセルを踏み過ぎれば弟がブレーキを、弟がアクセルを踏み過ぎれば兄がブレーキをとうまくバランスがとれていた。それを今は一人でやらなければならないので注意深くするように。どちらを踏み過ぎても会社はうまくいかない。
なるほど。私はこの言葉を深く胸に刻んでいる。
何故先日の所信表明演説等でこのことをあらためて思い出したのかは分からない。
今の内閣が「攻め」とも「守り」とも、あるいはバランスがとれているとも思わないのに。
のらりくらりしているだけの「かわし」内閣はほとぼりが冷めるのを待っているのだろうか。我々国民もバカにされたもんだ。